雰囲気のいい病院で働きたい!

出産や結婚をすると辞めなければならない雰囲気に

結婚や出産で離職する人も多い

結婚や出産で離職する人も多い

家庭と両立できない環境

全国の病院が毎年のように看護師の採用に力を注いでいる一方で、看護師の資格を保有しながらも資格を活かしていていない潜在看護師は55万人を超えているとされています。多くの看護師が離職の理由として挙げているのは、結婚や出産、育児、家事といったライフイベントに関するものです。また、勤務時間の長さや残業の多さ、そして夜勤の負担といった職場環境が相まって、仕事を続けられないと判断する人が多いのです。ある調査によると、シフト制で働いている看護師の4.3%が過労死の危険レベルにあるとされています。具体的には月60時間を超える時間外勤務をしていると推測され、3交替制の場合は勤務間隔が6時間以下であることもわかっています。年齢層で言えば20代から中間管理者の超過勤務時間が長く、20~30代でライフスタイルの変化がある女性にとっては非常に厳しい環境であると言えます。
こうした過重労働は看護師の体力を削るだけではなく、医療事故への不安を増幅させることになり、それもまた離職につながってきます。昔は夜勤や残業をこなせる人だけが評価される傾向があり、そういった風潮も離職につながっています。看護業界においては、いまだに自己犠牲的な働き方を求める職場も少なからず存在します。例えば、「子どもができたら退職はあたりまえ、そのうえで出産直前まで働くのが当然」「自分の時はそうだった」といった思考を持った上層部がいる病院はマタハラが常態化しています。

マタハラの多さについて

女性の妊娠に関する調査において、看護師に対して行った調査では66%もの人が「妊娠を職場に報告するのにためらいがあった」と回答しています。こういった雰囲気があるのは業界全体で看護師が不足していることに加え、妊娠は病気ではないのでそれで離職したら周りに迷惑がかかると考えてしまう人が多いからです。これは、上記でも少し触れた医療現場の体質が関係しています。看護師の労働実態調査によると、看護師の3人に1人が切迫流(早)産をしており、他職種の女性労働者に比べて妊娠時異常の割合が高いそうです。また、休暇や夜勤免除などの支援措置があまりとられていないことも数値化されています。お腹が痛くても「今休むわけにはいかない」と考え、無理に体を動かすことによって切迫流(早)産や流産につながっているのです。また、業務上支障が出るという理由で妊娠や出産をした看護師を退職に追い込むような事例も多く、このような旧態依然とした病院があるのも離職率が高い理由のひとつです。

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