それぞれの違い
まず大前提として病棟勤務は夜勤があり、外来勤務は日勤がほとんどです。どちらが働きやすいのかという話題をよく耳にしますが、具体的にどこが違うのかをしっかり理解していなければ比較することはできません。例えば外来勤務は日勤のみなので生活リズムを整えやすく、プライベートの時間も確保しやすいというメリットがあります。しかし、カルテや書類の整理といった雑務が多く、夜勤手当がないので病棟勤務と比べると給与が低いです。また、患者と接する時間も短いので、踏み込んだ看護を提供する機会は少ないです。外来はクレームが多いので接遇が求められるというのも特徴のひとつです。
病棟勤務は3交替制か2交替制のシフト制です。3交替制は日勤、準夜勤、深夜勤でそれぞれ8時間ごとに分けられます。2交替制は日勤と夜勤で分けられ、夜勤には仮眠時間が含まれます。夜勤で働く看護師には自己管理が求められます。そのため、適度な睡眠や消化のいい物を摂るといった生活の工夫が必要になります。病棟勤務では受け持つ患者の数が決まっており、情報収集が外来に比べると楽です。また、患者に寄り添った看護を提供することができます。業務は点滴やカルテ情報の共有・確認、チームカンファレンスなど様々です。給与は夜勤や休日出勤手当があるので、外来勤務よりも多くなります。月額でおよそ5~6万円ほどの差があるところが多いようです。
どちらも勤務した人の意見
外来と病棟どちらにも勤務したことがある看護師に言わせると、それぞれの仕事は別物らしいです。病棟の場合、患者が治療行為を受ける場所であるとともに生活の場でもあるので、ストレスを軽減するための工夫が必要となってきます。外来よりも患者の情報を多く得られるので、看護ケアの提供という意味ではやりやすい面が多いようです。医師が来た際に適切な指示をもらうためにも、的確な情報報告をしなければなりません。病院の規模にもよりますが、緊急外来を病棟勤務の看護師が兼任する場合もあるため、必要な機器やカルテの場所を頭に入れておかなければなりません。
外来は医師の診療をサポートするのが主な業務です。診療の準備や片付けを行います。処置室がない場合は採血や点滴なども行います。来院した患者の様子を注意深く観察し、不安点や不明点があればそれを取り除いてあげる必要があります。外来診療で入院が必要と判断された場合は、病棟と連携して申し送りを行います。外来に訪れる患者は待ち時間を嫌いますので、ストレスがないかをチェックしてケアすることも必要です。